詰将棋のルール

文中の用語は、その用語の説明へリンクしてあります。

詰将棋のルール(解き手)

慣例による追加ルール

慣例による追加ルール(守らなくても不正解にはならない)

  • 香打などの非限定の場合、玉方の玉の一番近くに打つ手を優先する
  • なるべく作意手順を選ぶようにする

補足

  • 攻方は同一局面を(4回未満なら千日手にはならないが)避けること
  • 表示されていない駒は、すべて玉方の持ち駒
  • 最初の手番は攻方
  • 上記以外のルールは指し将棋の通り

ルールからわかること

  • ルールに従っている限り、攻方の持ち駒を使い切る必要はない
  • 同様に、複数の正解手順がある作品で、最短手数の手順を選ぶ必要はない
  • 玉方の手を正しく選んでいる限り、攻方は詰む手を選びさえすれば正解となる
  • 千日手は失敗

言葉の説明

最善の逃げ方
玉方に詰みがなくなる手があれば、それを選ぶ。
そうでない場合、詰みの手数が最長になる手を選ぶが、
そのような手が複数ある場合、攻方の持ち駒が余らない手を優先する。
最善の逃げ方は複数ある場合もある。
詰みがある
攻方は必ず王手をかけるという条件の下で、
攻方が適切な指し手を選べば、玉方の応手によらず、玉方の玉を詰ますことができる、ということ。
詰みの手数
玉方に詰みがある局面で、その詰みの手数とは、
攻方は必ず王手をかけるという条件の下で、
攻方が適切な指し手を選べば、玉方の応手によらず、この手数で詰ますことができ、
かつ、攻方がどんな指し手を選んでも、玉方の応手によっては、これより短い手数で詰ますことができない、
という手数のこと。
無駄な合駒はしない」というルールにより、この手数は指し将棋と異なる場合がある。
攻方の持ち駒が余らない手
玉方に詰みがある局面で、攻方の持ち駒が余らない手とは、
攻方は必ず王手をかけ、かつその局面の詰みの手数と同じ手数で詰ますという条件の下で、
攻方がどんな指し手を選んでも、玉方の応手によっては、詰んだときに攻方の持ち駒を余らせることができない、
という局面にする手のこと。
無駄な合駒
玉方の合駒が無駄な合駒であるとは、
攻方が直後の手でその合駒を適切に取れば、その取った駒を使わないという条件の下で
後の手順とその意味が、合駒をしない場合と同じになること。
無駄な合駒かどうかを短時間で判定できるとは限らない(非常に難しい場合もある)。

駒余りについて

最善の逃げ方に、攻方の持ち駒が余らない手という要件は元々含まれていなかったらしい。
その場合、代わりに次のことを解き手に義務付ける。
ある作品に持ち駒の余る正解手順があったとき、それは作意手順でないとわかるから、
解答としてはその手順を選ばない(答えたら不正解とする)。

どちらのルールを採用しても、多くの作品で正解手順や難易度は変わらない。
しかし、駒が余る(ことがある)変化に、同手数の駒が余らない詰みがあった場合、
その駒が余らない詰みは、ルールによって「変化別詰」と「正解」とに分かれる。
一般のルールでは変化別詰となり、解く難易度は上がるが、完全作を作る難易度は下がる。
この変化別詰は、例えば(狭義の桂花手筋でないほうの)桂花手筋で見られる。

詰将棋のルール(作り手)

完全作と認められる例外

完全作と認められることがある例外

不完全作とみなされるもの

詰将棋の用語

変化
玉方が作意手順と異なる手を選択した場合の手順のこと。
変化が詰まなければ不詰めなので不完全作
不詰め
玉方に詰みがないこと。
不詰めだと不完全作とみなされる。
変化同手数駒余り
作意手順と手数が同じ変化で、攻方の持ち駒が余るもの。
この変化を選ぶと不正解になる。
変化同手数(変同)、変化同手数駒余らず
作意手順と手数が同じ変化で、特に攻方の持ち駒が余らないもの。
中分かれは変化同手数の一種。
変化長手数(変長)
作意手順よりも手数が長い変化
作意手順が正解でないことになるが、2手変長は問題とされないこともある。
2手変化長手数(2手変長)
作意手順よりも2手長い変化で、特に攻方の持ち駒が余るもの。
非限定
攻方が飛角香を作意よりも玉方の玉から離して打ったり、攻方の駒を成る作意の手を不成とすることによって、後の手順とその意味が変わらないこと。
余詰めの一種だが、問題とされない。
玉方の合駒が複数通り選べる場合も非限定といい、これは変化同手数の一種である。
紛れ
攻方が作意手順と異なる手を選択した場合の手順のこと。
紛れが詰めば余詰めなので不完全作
余詰め
攻方が作意手順と異なる手を選択した場合の詰みのこと。
余詰めがあると不完全作とみなされる。
手順前後は余詰めの一種。
迂回手順
攻方が1手で詰ますことができる局面から、より長い手数で詰ます手順のこと。
余詰めの一種だが、通常は問題とされない。
変化別詰(変別)、変化別詰解(変別解)
正解手順の途中、玉方の手を間違えて最善の逃げ方をせず、その先の手順で攻方が最善(短手数、駒を余らせる)の手を選ばなかったときに現れる、作意手順と同じか長い手数の詰みのこと。
変化別詰の解説
詰将棋を解いていて、玉方の手を間違えた場合、通常は他の手順よりも短い手数の詰みがある(または駒が余る)ことから間違いを知る。しかし、正解でない変化詰みの手数を知るには、攻方が単に詰む手を選ぶだけでは駄目で、最善(短手数、駒を余らせる)の手を選ぶ必要がある。この攻方の手を間違えると、作意手順と同じか長い手数で詰む場合があり、それが変化別詰である。
変化別詰のない作品ならば、玉方の手を間違えた後、攻方は詰む手を選びさえすれば、この変化が正解でないことを知ることができる。だが、変化別詰ではこれができない。そのため、変化別詰の手順を選んでしまうと間違いを知ることが難しい。
変化別詰は正解手順でないので、変化別詰は詰将棋のルール(作り手)に反していない。
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